具学への招待 vol.135 炭切形(すみきりかた)

i135.jpg 炭切形は、茶道用の炭の長さを整えるための道具であり、「炭定規」ともいう。炉用と風炉用の二本で一組となり紐で結ばれている。茶道具としての炭は、胴炭、丸管、割管、丸毬打、割毬打、添炭、枝炭などの種類があり、夏の風炉と冬の炉で大きさが決まっている。一番使用頻度の高い丸毬打(まるぎっちょ)だと、風炉用は長さ2寸(約6cm)程、炉用は長さ2寸5分(約7.6cm)程を用いる。この数字には理由がある。
 釜を掛ける際、風炉や炉の中央に丸毬打炭を立てて置き、釜の底から炭までの距離が5分から8分(約2.5cm)程度になるように灰の深さを調整する。また大きな胴炭や長い管炭は、五徳の大きさに準じて長さを調節する。
 今では茶を点てる際に、炭を使わず電熱でお点前をする場合が多くなってきた。ましてや炭を自分で整える人は殆どいないだろう。私自身炭は切ったものを購入するが、この道具には茶道の細やかな精神が映し出されているように思える。
(谷本 尚子 2016/10)

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