道具学への vol.75 「はじめにリンゴありき」

f0107583_1031075.jpg ものには「はじまり」というものがあるようだ。
 アダムとイブが人間になった切っ掛けは「禁断の果実」と伝えられるリンゴ。戦後の音楽界に突風を巻き起こしたビートルズは「アップルレコード」を立ち上げ、IT時代の先駆けとなった「アップル社」はリンゴのマークで世界中を席巻した。この世は、聖書に語られる「はじめに言葉ありき」よりも「はじめにリンゴありき」の方が、人類の歴史を語るに雄弁のようだ。
 この「ガラスのリンゴ」は、英国ウェッジウッド社製の逸品。当社は1759年にジョサイア・ウェッジウッドによって創立された世界最大級の高級陶磁器メーカーとして有名だが、1970年代よりガラスメーカーを買収し始め、事業を拡大していく。これはまさにその時期の作品、英国出張時に求めたものである。
 その頃「何故ガラスを扱っているのか」「何故それがリンゴであるのか」等、考えも及ばなかったが、今となって想像するに、やはり「新事業のはじまり」の象徴として、世に姿を現してきたのかもしれない。

(藤本清春 2011/06)

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