道具学への待 vol.77 ソーラーマニ車

f0107583_17514810.jpg マニ車とはチベット仏教の仏具で、経典が入った円筒形のものを回転させることで、経文を唱えたことになり、回転させた数だけ読経したのと同じ功徳があるというありがたい道具である。基本は手で回すのだが、携帯用の小さなものから、ドラム缶サイズまである。寺院にはマニ車が大量に並び、回しながら参拝する。
 この写真は北京最大のチベット仏教寺院、雍和宮(yong he gong/ようわきゅう)の門前に並ぶ仏具店で見つけたソーラーマニ車。小さなモーターがソーラーエネルギーでマニ車を回し続ける。チベット仏教の伝統的な宗教行為と現代中国の技術のちょっとミスマッチなコラボレーションとも言えるが、別の見方をすると、太陽の力を借りての読経は、大自然の力に支えられて私たちはここにあるという発想にも思える。
 鳥が肉体を天に届けるという鳥葬のような、チベット仏教特有の自然との一体感と見れば違和感はなく、むしろチベット仏教にふさわしい道具なのかもしれない。

(岸本章 2011/08)

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