道具学への招待 vol.106 「ガラスの馬」に想う

f0107583_16135858.jpg 正月七日、蹄の音高く白馬が境内を駆け抜ける「鹿島神宮の白馬祭(おうめまつり)」。鎌倉幕府四代将軍藤原頼経が宮中より東国にもたらした祭事と云われており、本来青馬(あおうま)と称される、濃い青みを帯びた黒馬あるいは葦毛の馬を用いていたようだ。七草粥の振る舞われるその日「初春の生命の目覚めを彷彿とさせるこの青馬を見ると、一年の邪気が祓われる」と云う中国の故事がその由来である。
 一方この透明の「ガラスの馬」。十二支に顕れる動物たちを題材に、昭和53年、オリジナルデザインの店「GKShop」に初めて姿を現わした。以降12年を経て「新たな十二支」が完成。永い伝統文化に支えられた風習や行事を遺伝子に、新素材や先端技術を得て、新たな道具文化がカタチ化すること。何と素晴らしいことではないか。想えば懐かしくもまさに36年前の出来事。今や東京オリンピックを再び迎える時代にあって、この平成26年が「馬駆けて人さらに繋がる」出発点となって欲しいものである。
(藤本清春 2014/01)

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