道具学への招待 vol.108 縄文時代のドングリ入れ

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 この絵葉書シリーズvol.64で弥生時代のかごを紹介したが、今回は縄文時代早期、7000年前に遡る。
 低湿地帯の遺跡から発掘される有機質の遺物は、近年になって急増した。その中でも、形状がはっきりわかる最古のかごは、佐賀県東名(ひがしみょう)遺跡から出た一群である。東北大学植物園あみもの研究会で2011年に復元したのは、ドングリが入れられて水に漬かった状態で見つかった高さ80㎝以上もある大きな籠。口がツヅラフジの蔓で閉じられているので、保管用コンテナのようなものだろう。素材は右がイヌビワ、左がムクロジである。木をテープ状に薄く剥いで編むことは、現在でもイタヤカエデなどでは行われているが、籠といえばほとんどは竹、というのが現状だ。このような木が編むための材料になるとは、実際にやってみるまで信じられなかった。
 効率のよいものをと取捨選択を続けてきた結果、多くの素材の潜在能力は次第に置き去りにされてきたようである。

(本間一恵 2014/03)

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