道具学への招待 vol.109 ジウジアーロとの出会い

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 31年前、高校生だった私は腕時計の新聞広告に目を奪われた。セイコースピードマスターデジタル。20度傾いた液晶画面に、それを囲む幅広のモードダイヤル。すごく斬新だった。
 どうしても欲しくなり、お年玉とへそくりを合わせて手に入れた時は本当にうれしかった。今に至るも私の左腕で活躍してくれている。おかげでこの写真も傷だらけのぼろぼろ状態。
 この時計で、ジウジアーロという人と、工業デザインという仕事が世の中にあるのを知った。これに出会ってなければ、今の仕事はしていなかっただろう。その意味でも、私の人生を彩る重要な道具である。
 この時計はファンも多いらしく、10数年前に復刻されている(銀色の方)。復刻といっても、同じスケッチから生まれた全くの別設計で、ディテールの解釈が違っていて見比べるとおもしろい。どっちも好きなんだよなぁ。
 ということで、今日もどちらかの時計が私の左腕に飾られているのです。

(細田彰一 2014/04)

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