道具学への招 vol.129 サルマネデザインからGマークへ

i129.jpg 戦後の復興期、多くの中小企業が外国製品を手本とする生活用具などをつくり輸出をした。デザインはそっくり、しかも品質良く安価。脅威を感じた欧米各国はサルマネ製品目録を作成、日本政府に反省を迫る。これを契機に独創デザインを促すGマーク制度が生まれた。
 盗作の代表例とされたカイ・ボイスンの「日本製」木製玩具は本家と並ぶ完成度。「まねぶこと」がモノづくりの要(かなめ)と信じた戦中派の技(ワザ)と術(スベ)が、後の高度成長を支えた。同じ道をいまは近隣大国がなぞっている。
 ところでカイ・ボイスンが自作のモチーフとしたテナガザルは、東南アジアの熱帯雨林にしか生息しない。日本にもいない。けれど桃山時代の画家長谷川等伯の「枯木猿猴図」には描かれている。そこでふと思った。等伯のお猿は時空をこえてデンマークに……?(ソンナワケナイカ) 
 善き伝承は美を育む。等伯もボイスンも自然を模し昇華させ創造につなげた。理性ある学(マネ)びを大切にしたい。
(磯貝 恵三 2016/01)

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