道具学への招 vol.130 ラオス少数民族の『稲刈り具』

i130a.jpgi130b.jpg 写真はラオス南部、アッタプー県の少数民族「オイ」族の稲刈り具「リエン」である。チョンプイ村主婦アンさんのもので、大きさは高さ14.5cm×幅6.3cm。フラットな先端部に鉄製の刃を差し込んでいる。握りの上部は滑り止めであろう。本体の木の削りだしから刃の取り付けまですべて手作りで、アンさんのご主人製造。属人具(個人の持ち物)で、家族それぞれが持っている。使い方は利き手で頸部を稲竿とともに握り、一方の手で下方の稲竿を抑えながら向こう側にしゃくるように押し出す。根刈りではなくいわゆる「穂刈り」具である。この道具をなぜ使うのか? の問いに、これで刈らないと「精霊が悪さをするから」との答えが返ってきた。しかし、若い人は曲刃の鎌(ジャン)を使うことが多くなっている。同じオイ族でも他の村では先代、あるいは先々代の時は使っていたけど今は鎌を使うとのことであった。近隣のラオ族では使われていない道具で、その系譜に興味がひかれる。
(外山 政子 2016/02)

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